
こんにちは、投資データの分析を愛しているでーたかじり虫です。
今回の記事は、「株式投資初心者にとって、バリュー株投資はちょっと敷居が高くないかな?」という私見をまとめた内容です。
バリュー株投資戦略のメリット・デメリットをよく理解したうえで、自分に合った最良の戦略を手にするための材料にしてください。
儲かる投資戦略の全体図を知ろう
株式投資を始めたばかりで何から勉強したらいいか分からないという方、沢山いらっしゃいますよね。
わたしも遠い昔、そんな状態で様々な情報を漁っていました。
そんな方の中に、書店やインターネットで「バリュー株投資がおすすめ!」なんていうタイトルを目にして、この投資戦略を勉強しようと考えた方が、きっといるはずです。
しかし、そんな初心者だからこそ、株で儲けるための投資戦略というのは他にも存在しているということを、初めに知っておく必要があります。
具体的には、(エビデンスの強弱こそあれ)根拠のある儲かる戦略をまとめると、以下のように分類することができます。

世の中に知られている投資戦略をまとめているので、聞き覚えのある言葉もあるでしょう。
バリュー投資戦略というのは、円で囲った部分、アルファ戦略の中の、個別株投資に属する戦略です。
「アルファ戦略」という聞きなれない言葉が登場しましたが、これを簡単に説明すると、「インデックス投資の成績に勝つための戦略」です。
投資初心者におすすめしない理由その1
バリュー株投資というのはつまり、「インデックス投資の成績に勝てる」という自信のある方が取り組むべき戦略といえます。(もちろん、インデックス投資よりもリスクを抑えられるかも?という可能性はあります)
バリュー投資の勉強に取り組むのであれば、その前にインデックス投資の知識をしっかり身に着けておくべき、というのが基本的な学習手順というわけです。
ちなみに、インデックス投資の世界がどの程度のパフォーマンスか御存知でしょうか?
下記のグラフは米国を代表する株価指数、S&P500の成績です。

平均すると、年間7.3%資産を増やせたという成績です。
この成績は、運用のプロでも勝つことが難しいと言われる成績です。
バリュー投資の世界に踏み込むということは、少なくとも「このインデックス投資の成績に勝てる」という、何らかの根拠を持っているということなんです。
投資初心者におすすめしない理由その2
おすすめできない理由の2つ目は、「参考できる成功例が少ない」という点です。
インターネット上には、「バリュー投資」というキーワードをタイトルに冠したブログが沢山ありますが、そのほとんどが「バリュー投資っぽい別の何か」であったり、「利益は出ているものの、儲かっている根拠をバリューファクターであると勘違いしてしまっている」という例が非常に多いように思います。
そういった利益の因果関係がはっきりしていないものを参考にしても、投資家・トレーダーとして生き残っていくことは難しいかもしれません。
「儲かるんなら、なんだっていいよ」という方もいらっしゃるでしょう。
利益が出ているうちは確かに「なんだっていい」が成り立ちます。
しかし運用を続けていくと分かることなのですが、投資がマイナスの結果を出し始めたとき、あなたの運用を支えるのは「根拠のある明確な投資理論」しかありません。
あえて厳しいことを言うこと、お許しください。
利益の因果関係がはっきりしていないインターネット上の情報を真似し、「ミラートレード(古い言い方をすると提灯売買)」や「推奨銘柄」、「お宝発掘銘柄」に頼ってしまう初心者もいらっしゃいます。
しかし、そういった相場へのアプローチで成功することは難しいでしょう。
私たちが目指すべきは「ラッキーパンチからの勝ち逃げ」ではありません。
確かなものだけを一つ一つ積み上げていきませんか。
バビロニアに聳える巨塔の建設を止めた彼はもういないのですから。
もしバリュー投資家の道を志したなら、財務情報の分析を学び、バリュー投資の始祖といわれるグレアムを紐解き、そして機関投資家が用いるバリューファクターがどういったものか学んでいきましょう。
『証券分析』ベンジャミン・グレアム
MSCI:バリューファクターについての記事
https://www.msci.com/japan
投資初心者におすすめしない理由その3
3つ目の理由は、「もっと簡単・シンプルな戦略がある」という点です。
繰り返しになりますが、「利益が見込める投資・トレード戦略」というのは1つだけではありません。

上の図の、円で囲った部分はすべて個人投資家が実践できる投資戦略です。
利益を出すための手段がいくつもあるなら、「より簡単・シンプル」な手段を選ぶべきだと私は考えます。
具体的には、「成長株投資」や「イベント特化型(イベントトレード)」の方がよりシンプルで、初心者向きだと思います。
「成長株投資」は、財務情報の知識を身に着けポジティブな決算結果や社会のテーマ性をフォローしていくので、投資の王道スタイルを学べます。
「イベント特化型(イベントトレード)」は、株式市場の仕組みを利用するので、投資家として着実にレベルを上げていくことができます。
もしアルファ戦略の世界に踏み込むと決めたなら、私はこれらの戦略から学習していくことをおすすめします。
まとめ
以上の3点から、私は初心者にバリュー投資を積極的にはおすすめしていません。
バリュー投資の世界へ踏み込もうとした方には少し嫌に感じる部分もあったかもしれませんねm(__)m
しかし、私は真摯に相場へ向き合っていきたいと思っているからこそ、あえて本心でこの記事を書きました。
皆さんの投資の第一歩が、より良い経験となることを心から願っています。
また、投資戦略の解説を動画にしています。
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それでは、良い投資生活を!
示唆に富むコンテンツ、ありがとうございます。
当たり前ですが、書籍は自分の手法を伝えることで成り立っています。
なので意外や意外、この手の話が体系的にされているのはなかなか見かけないですね。
とてもためになりました。
※自分はイベント特化型でしょうかね?多分。
真面目に考えたことがありませんでした。読んでよかったです。
コロナショックのような不確実性の事象には、すべての手法が影響を受けます。
話題休閑として、そのような解説も是非ご教授いただければ。。。。。
ありがとうございました。
いぷく様
コメントありがとうございますm(__)m
当ブログ初のコメント、大変嬉しく思います^^
私たちにとっての強みは、
・難しいゲームに参加する必要はない
・地合いやタイミングが悪いなら休んでいい
など、ほかにも沢山ありますが、
機関投資家やプロップトレーダーには無い、選択の自由があるのですよね。
この記事に込めたそんな意図を汲み取っていただけたようで、とても嬉しく思います。
コロナショック関連の記事も需要がありそうですよね。
ネタ帳に強めに書いておきます!